私記


「ノートにできたら持っていらっしゃい。」

本日、木村重夫先生によるセミナーが群馬前橋の地で開催されました。

このセミナーに事務局として参加しました。

 

算数の授業の中で、ノートに書かせる場面が何度も出てきます。

式を書かせる。絵を描かせる。答えを書かせる。

説明を書かせる。大事なところを書き写させる。

こういった作業をさせた後、次のように指示する場合があります。

 

■ ■ ■

 

ノートに書きなさい。

できたら持っていらっしゃい。

 

■ ■ ■

 

今まで私は、教室でこのような指示をすると、

早くできた子がヒマになり、遊び始めてしまうので、

あまりしていませんでした。

したとしても、練習問題を解かせたときだけ。

 

しかし、木村先生は違いました。

ノート作業を指示した後、つまずく子が多いと予想される場合は、

少ししか書いていなくても持ってこさせるのです。

そしてチェックをしていく。

 

懇親会では「一人一秒かからない」と言っていました。

 

当然児童の実態によって、これが必要な学級とそうでない学級はありますが、

これほど細やかにノートをチェックされるのかと感銘を受けました。

 

そして、ノートチェックにより、

さくらんぼ計算が書けなかった子が、だんだんできるようになっていった事実を目の当たりにし、

なんて今まで粗い授業をしていたのかと、

これくらい細やかに子どもを見なければならないんだということを、改めて実感しました。

 

早くできた子が遊び出さないようにするなど、課題はありますが、

できない子をできるようにするための指導法の工夫として、

ノートチェックは有効なのだと思います。


算数の教科書をどう教えるか。

本日、第19回定例会を行いました。

その中で、六年算数「文字と式」の単元の

一時間目の模擬授業がメンバーが行いました。

 

代案を示しながら思ったこと。

教材研究の第一歩は、

 

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その時間のねらいは何なのか、

教科書から読み取ることである。

 

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そのねらいにそぐわない部分、つまり「無駄」な部分は

どんどんカットしていく。

 

ねらいを教師がとらえないまま

教科書をなんとなく教えてしまうと、

子どもは「何やってるんだかわからない」

となりそうだと思いました。

 

今回メンバーが持ってきた教科書のページでは、

「いろいろと変わる数のかわりにXなどの文字を使って、

1つの式にまとめて表すことがあります。」

という文があったので、

ここに向かって授業を組み立てるのだと考えました。

 

ではとっかかりはどこになるのか。

それは挿絵の女の子のセリフ。

「長さによって式がちがうから、1つずつ・・・」

そこから次のように発問をしました。

 

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続きはどうなりますか。・・・の横に書きなさい。

 

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これによって、1つずつ式を書いていくという方針が決まります。

そして、教科書に沿って問題を解いていきます。

 

1つずつノートに並べて書かせた上で、

横の長さを□とおいて立式させます。

「いつも一定で変わらない数」と

「いろいろと変わる数」を聞き、確認します。

 

その後、「今までは□を使って式を立てました。

これからはXという文字を使って式を立てるお勉強です。」

と、まとまる。

 

これなら自分で授業していてもしっくりきました。

メンバーにも納得してもらえました。

 

教科書を教えることのむずかしさ、楽しさを

改めて感じました。


向山型算数セミナー2013

向山型算数セミナーに行ってきました。

その中で、大きな発見がありました。

この一週間、これを意識すると大幅に授業が変わった点。

 

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教科書を学習の「おさえ」で用いる。

 

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今まで、向山型算数と言えば、

「教科書を教える」というのが定石でしたが、

その概念がひっくりかえりました。

 

木村重夫先生の講座。

向山先生の算数授業のDVDを見る。

このDVDは持っていたけれど、

いかに自分が映像を「眺めていた」だけだったかがわかりました。

 

分数のたし算とひき算の単元の導入だったと思います。

教科書から入らず、あえて先生問題から開始。

一通り教えたところで、教科書に入っていました。

 

このシーンを、木村先生は

「教科書を授業のおさえとして使っている」(文責青山)

とおっしゃっていました。

 

その点を意識して授業しています。

たしかにそのほうがやりやすいところもある。

 

なるほど、と思いました。

 

定例会にて、実際の授業を紹介しています。

ぜひ見にいらしてください。


高段者の黄金の三日間セミナー

群馬に、甲本卓司先生と、松崎力先生がいらっしゃいました。

午前中にユースウェアセミナー(教材の使い方についての講座)

午後は黄金の三日間についての講座でした。

 

懇親会の感想でも言いましたが、

高段者の先生方の授業を見ていて、

いつも思うことがあります。

授業が楽しいのはもちろんのこと、

 

楽しそうに授業をしている。

 

授業は楽しく、知的で、面白く、ということが言われますが、

面白い授業を創るための基礎は、

教師自身が授業を楽しむということなのかもしれません。

 

子どもへの対応もどこか楽しげ。

印象に残っているのは、松崎先生の漢字文化の授業中のことです。

 

「『土』の由来は何でしょうか」

といった発問で、図に書いてもってくるシーン。

参加者のほとんどは知っていて、同じ答えの人が続きました。

そのときの松崎先生の一言。

 

  みーんな同じ。つまんなーい。

 

文字に起こすと、冷たい反応のようですが、

実際の声のトーンは、やんちゃそのもの。

会場にも笑いがおきていました。

松崎先生のやんちゃぶりを垣間見た瞬間でした。


埼玉教え方セミナー

先日、埼玉で開催された教え方セミナーに足を運んできました。

相変わらず熱気に満ちていて、山口から来られている先生もいらっしゃったようです。

 

講座の中で、一番ショックだった瞬間は、

 

「机の位置がわかるように、床にしるしをつけるかどうか」

 

という話がされた時でした。

 

多くの先生方はつけると思います。

ではどのようにつけるのか?

どこにつけるのか?

今まで自分のやり方に疑問を持ったことはありませんでした。

 

私は机の前足の位置に印をしていました。

でもそれでは弊害が生まれてしまうのです。

 

一年生は、机を上からのぞき込むようにして印を見ますが、

これでは非常に見にくい。

 

講座では、明らかにこれより見やすく、

整頓しやすい位置を提案されていました。

 

「机の後ろ足の位置につける」

 

ということです。

そうすることで、足下をちらと見るだけで確認することができる。

 

 

今までの自分と、この講座を担当された先生と、

違う点は一つ。

 

子どもの都合で考えているかどうか。

 

子どもの目線で考えると、自然と印の位置も決まってくるのだと思います。

 

子どもの都合で考えられる教師になりたいと思います。

 

(後日、わかりやすいように写真をアップします)